音で海を見る

音のこばなし

以前、レイクシアターという仕事をしました。

静岡県に浜名湖という海水と淡水が入り混じった大きな湖があります。
元々湖だったのですが、かなり昔に地震が起き境目が切れてしまい
海と繋がってしまったことで有名です。
この浜名湖を音で表そう、というシアターが出来て、そのお仕事を任されました。
そこでは、浜名湖の音を立体録音で1週間くらい色々なところに行って録り続けました。



その中で特に面白かったのが、浜名湖の湖底の音を録るということでした。
クルーザーを借りて、湖の一番深い所に停めます。
そこからどうやって音を録るのかというと、
「ハイドロフォン」というマイクを使います。
普通のマイクは水に入れるとダメになってしまいますが、
耳で言う鼓膜にあたるところ(振動盤)の前にオイルが入っていて、
オイルの振動を通じて水の振動が伝わってくるという仕組みのものです。

よく 何100kmもの距離を伝わってくるザトウクジラの歌というのがありますが、それもこれでやります。
吊りみたいにものすごく長いケーブルがついていて、それを船から降ろしてく感じです 。

水の中といえば、プールの中に入った時のことを思い出すと分かりますが、
音が速く伝わってきます。
なので、色々な音がマイクに入ることを避けるために、
できるだけ他の船がいない時間を狙っていきました。
周りを見渡しても、何もいないのにどっかからエンジンの音が聴こえて来ます。
おそらく今から出ようという船の音なのかもしれませんが…
このように、水の中はとてもにぎやかです。

他の音が無い時の水の音はこんな感じでした。
風みたいな音だったり、
カチカチ言っていたり、
泡の音があったり。
水の音なんだけど、乾いた音もしました。
試しにボートを少し叩いてみると、物凄い音量で入ってきたりもして
水中独特の音にしばらく聞き入っていたことを覚えています。

余談ですが、水産試験場でテストなどをやっていた時、
水槽の中にホウボウという魚がいました。
この魚、なんと、鳴きます。
ホウホウとフクロウやおじさんみたいな声でした。

最後に、タイトルに付けた「音で海を見る」という本のご紹介。
この本、なかなか面白い本です。

浦上咲恵

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Sound Writer / Sound Stylist。井出さんと一緒に仕事をしながら感じる、浴びる程の「ゾクゾク」感を届けたいと思い、日々執筆しています...

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