毒と音色
プロデューサーおすすめ
世界中で探されている1920年から1950年代の金属の楽器、
例えばサキソフォン。
今の楽器に比べて、独特の雑味(息の音)、柔らかさ、深さ、
ヌケの良さ、複雑で個性的な音色があります。
この理由のひとつは、素材の「不純物と毒」。
加工精度が高くなって工業化し、素材の純度が高くなると、
ばらつきがなく、安くなるというメリットはあるものの、
「音楽する楽器」としては、どんどん魅力がなくなってくるのです。
ビンテージには、特に合金では純度が高くなく、不純物が入っている
ものが多く、また、口を付けるところに鉛が入っていると言われるものも
あります。
これが名器として、世界中が追い求めているものです。
美しい音は、純度の高さより、適度な不純物や毒素成分が必要
というバラのような話でした。