いのちの使いかた
プロデューサーおすすめ
以前、佐賀の大病院の外来で病院専用の音楽を流そうという仕事がありました。
病院の音楽はかなり難しいです。
たとえば、病名や状態など、辛いこと言われた時に印象の強いメロディーが流れていると、
メロディーと記憶が結びついてしまい、別の場所でも同じメロディーが流れると
記憶が蘇ってしまうといったこともあります。
色々な音楽を流してみたんだけど、これというものがなかなかなく、
苦労しました。
そこでたどり着いたのが、人間の身体を維持しているメカニズム。
中でも、アポトーシスという古くなったり病気になったりした細胞に、
「死んで生まれ変わりなさい」と指令を出す細胞があります。
再生の象徴であるこの細胞を音楽にしたらいいんじゃないかと思って、
分子の動きを音楽にしてみました。
すると、めちゃくちゃはまって、全員一致で採用。
病院関係者等、様々な人が大勢聴きましたが、これがいいと。
その病院のプレオープンのときに日野原先生がいらっしゃっておりました。
音楽を聴いて凄く感激されているようで、それを聞いた自分も
ものすごく感激したことをよく覚えています。
日野原先生も音楽と同じように、達観しているところがあって、
時間とか空間の観方が大きくて、
「愛」というのがベースにあることを肌で感じられて、
凄い人だなあと思って本をいっぱい読みました。
これは、101歳の記念出版の時の本で、好きなフレーズを一つ抜粋してご紹介します。
人生をかえる希望のメッセージをあなたへ
―”創める”ことは年齢にいのちという水を注ぐということです。
日野原重明「いのちの使いかた」より引用