音楽療法って何?

音のこばなし

「音楽療法」という言葉、よく聞くことがあると思います。
CDが出ていたり、本が出ていたり。

これは実は本当にピンキリで、
本来どういうものだったのかということが
今では分かり難くなっています。
これを簡単に言ってしまおう!というのが今日のお話です。


発祥はめちゃくちゃ古く、
「音楽療法」というものだったのか、「音楽」そのものだったのか
ということが分かり難いくらいです。
古くて、深遠なものです。

一言で言うと、
音楽で愛のエネルギーのコミュニケーションをする
ということが音楽療法の本質です。

大昔には、亀の甲羅に弦をつけて、竪琴みたいなものをつくってそれで癒していたとか。
この写真の本は、ジュリエット・アルヴァンという人が書いたもので、
この本に触れて、私も医療と音楽ということをやろうと思うようになりました。

写真にあるように、患者と話し合いながらチェロを弾きます。
聴きたい曲が気持ちとバッチリ合うと、相手の心がぱあっと開いて、
急にコミュニケーションができるようになる。

面白いですよね。

そこにはコツがあります。「同質の原理」といいます。
その人の心境や言いたいことにバッチリあった曲を見つけて演奏する。これが大事です。
例えば、すごく悲しい気持ちになっているとすると、悲しい曲を聴いてもらいます。
決して、悲しい気持ちの時に楽しい曲は聴かせません。逆に働いてしまうためです。

同じ気持ちの曲を聴いて一旦心が開くと、カタルシス効果という
心の浄化とみたいなものがおきます。

その後に、希望を感じるような曲に徐々に切り替えていく。
これが、音楽療法の本当の姿です。

実は、自分で楽器を演奏することや、カラオケなんかも、音楽療法そのものとも言えます。 特別なものではないのです。
好きな曲で、自分が主役の映画のようなイマジネーション、
とにかく泣くというのもすごく効きます。

自分の好きな曲を聴くとかそれに浸るとか…
そういうことで、知らず知らずのうちに音楽療法をやっちゃってるのです。

音楽療法は、
音楽が介在した人と人との愛のコミュニケーション。
ということで、
クリスマスにぴったりだと思っていっちゃいました!

メリークリスマス。

浦上咲恵

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Sound Writer / Sound Stylist。井出さんと一緒に仕事をしながら感じる、浴びる程の「ゾクゾク」感を届けたいと思い、日々執筆しています...

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