ピアノフォルテ

音のこばなし

この古くておしゃれなピアノ。
現代一般的に見るピアノは黒か茶色か白に統一されていますが、
その昔、こんなにもおしゃれで繊細なものでした。

今日は、私の好きな2台のピアノについてお話してみます。


ピアノの原型「ピアノフォルテ」

「以前、古いピアノを12台くらい揃えて録音したことがあります。
昔はピアノのことを『ピアノフォルテ』と呼んでいました。
元々はハープシコードやチェンバロ等の楽器があり、徐々に今のピアノの形に別物として成立してきています。
以前は音量が変えられなかったのですが、機構の進化により変化をつけられるようになり、ピアノフォルテと呼ばれるようになりました。

より洗練されて現在のピアノに至ります。」

1台目:エラール

「このインパクトのあるアップライトのピアノは、エラールという、
ハープで有名なフランスのメーカーの楽器です。
ピアノの中で一番好きなピアノです。

本来、私はピアノの音をそんなに好きではなく、避けて通ってきましたが、
古いピアノを録音することになりぐっと変わりました。
そのきっかけはまさに音色。
ピアノなのに、考えていた以上に音色幅があってたいへん面白かったのです。

このエラールのアップライトのピアノでは、録音時に『エリーゼのために』等の有名で聴きなれた曲が演奏されました。
優雅なんだけど、悲しげな、複雑な音がしたのを今でも覚えています。」

2台目:プレイエル

「もう一つは、『プレイエル』というピアノです。
ショパンが弾いたピアノとして有名で、
実際にも、ショパン!って感じの音がしました。笑

粒立ちがしっかりしていて、且つ少し潤いのあるような音がします。
これも2番目位に好きなピアノです。」

古いピアノを見る面白さ

「ついでにですが、この機会にお伝えしたいことがあります。
古いピアノを見る時の面白ポイントです。

実は、ピアノにはほとんどの場合鍵盤の上中央にロゴやエンブレムが入っています。
これが、またいいデザインなのです。
化粧品なんかでも使えるような、素敵なものばかりです。

現在の統一されたピアノとは異なり、それぞれ外観にも個性が出ていた古いピアノ。
見る機会があったら、是非注目してみて下さい。」

浦上咲恵

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Sound Writer / Sound Stylist。井出さんと一緒に仕事をしながら感じる、浴びる程の「ゾクゾク」感を届けたいと思い、日々執筆しています...

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