抵抗って大事

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以前、F1のエンジンを設計している人と一緒に仕事をした際に、マフラーの話になりました。
マフラーにちょっとした抵抗があると効率が上がるらしく、「楽器と一緒だなあ」と思ったことを覚えています。

楽器もちょっとした抵抗感がものすごく大事で、それによって息が当たっていることが確認できるし、
コントロールすることができるようになってきます。
結果的には、息が音に変換される効率があがるのです。

例えば、運動場の真ん中のような、何も抵抗が無い、ただ広がっているだけの場所よりも、
近くに何か反射するもの(反響板)があったほうが、自分の声がそこに反射して出て来ます。
何も無いよりも抵抗感は出てくる一方で、音に方向性が出たりとか、
コントロール性がでたりするということです。

コロナの状況になって大分長くなり我慢が続きますが、
この際、この抵抗を逆利用してみようと!
強すぎない抵抗みたいなものがあると、逆に
効率が上がるんじゃないかということを考えました。

昔は何も考えなくてやっていたことが、ちょっとした抵抗があると、
そこを工夫して何かやろうとか、もっとパワーをいれようとか、
コントロール性が案外出て来ます。
当たり前にやってることも、抵抗感の中では、
それ自体に自分を上げる効果があったりします。

ということで、今の抵抗の中で何かをやるというのは実は
その人のパフォーマンスを上げることになっているかもしれない。
こんな風に、逆利用できたらいいねというお話です。

浦上咲恵

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Sound Writer / Sound Stylist。井出さんと一緒に仕事をしながら感じる、浴びる程の「ゾクゾク」感を届けたいと思い、日々執筆しています...

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