木が生き始めた

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昔、プロデューサーを務めた博覧会愛知万博の仕事の時、
木の中の音を一年に渡って録りまくったことがあります。

その時仲良くなったのは、「木のお医者さん」。
別の場所にあるコナラを抜いて、パビリオンの中に植え変える
作業があったのですが、その時のことは今でも覚えています。

一度抜かれ、パビリオンに植え変えられたコナラ。
場所が変わった木をみて、私たちなんかは「生きてるのかなあ?」
というよく分からない感じで見ていましたが、
お医者さんは聴診器を当てて、「いいぞいいぞ」と。
お医者さんからみると、しっかり生きていたんですね。

その証拠に、暫くすると、近くの地面から小さい木が出てきたのです。
みんな大感激でしたね。
新しい場所に根付いたんだなと。

木のお医者さんは、人間のお医者さんと同じ様に
聴診器あてたり、傷がついている場所に薬を塗ったり
腹巻をしてあげたり。
丁寧に丁寧に治療します。
その末、5センチくらいの小さな木が近く生えてきたので
感激もひとしおでした。

今日は、散歩をしながら、そんなことを思い出しました。

浦上咲恵

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Sound Writer / Sound Stylist。井出さんと一緒に仕事をしながら感じる、浴びる程の「ゾクゾク」感を届けたいと思い、日々執筆しています...

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