この仕事に就くきっかけとなったスピーカー

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20代の頃、音響エンジニアの仕事をしている時に、コンサートでホールの下見がありホールの管理の方と出逢いました。
すると、スピーカーの話になり、「家にすごくいいのがるから聴きに行こう」という話になり、お邪魔することに。


家に行くと、銀色の箱のようなものがありました。
最初はあまり興味はなかったのですが、試しに弦楽器のアンサンブルを聴いてみると…

オーディオの音でもなく、忠実に再現しているわけでもなく、「ものすごく音楽している!」と思いました。
音響って周辺的だと思ってたけど、楽器みたいに音楽することに深く貢献するんだ、と。
「スピーカーでもちゃんと音楽できるなら仕事になるんじゃないか?」と直感的に思いました。

それから、30年以上もの間、そのスピーカーの音楽的な音が忘れられず、ずっと探していました。
レプリカはあるけど本物が無い。あっても中にあるスピーカーユニットが変わっていたり・・・

流石に無理かと思いながら、色々な雑誌などを見ていたら、ある日北海道にあるということが判明。
アメリカから来たもので、状態もいい。
直ぐ買っちゃいました。考える間もなく。

自分の家にきた時は、とにかくでかく、感激もひとしおです。

さて、と、音を出し得てみたら、昔のイメージと違う…。
ダイアグラム(振動する部分)がだいぶヘタっていたようです。
修理しちゃおうかなと、自分のネットワークで聞き回っていたら、なんとメーカーのアルテックがまだユニットをもっている!
すぐにそれをつけることにしました。
オリジナルの復活です。

それでも最初はダメでしたが、ずーっと聞いてたら、ある日いきなり、あの日初めて聴いた時の音になって。
エイジングができてきたんですね。
もう感激でした。

この仕事に就いた意味を再確認した出来事でした。

ちなみに、このアルテックの612-A 603-E「銀箱」というものは、
アメリカのジャズの黄金期のモニタースピーカーだったということが後からわかりました!
さすが!

浦上咲恵

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Sound Writer / Sound Stylist。井出さんと一緒に仕事をしながら感じる、浴びる程の「ゾクゾク」感を届けたいと思い、日々執筆しています...

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