落ちそうで落ちない綱渡り
仕事術
バランスは、安定していなくていい。
「仕事でも何でも、あれもこれもできることが理想で、
安定したバランス状態を求めてしまうと思います。
そのバランスを保っていたいために、病気などで崩れてしまうことが
だめなことのように思えてしまう。
でも、 固定的ではなく、揺れ動いていて良いんじゃないかなと思います。 」
揺れ動けるバランスという考え方。
「均衡が取れていることをバランスというのではなく、
どんどん形や比重が変わっていっても良いということです。
左にぐーっといって落ちそうと思って持ち直したり、
ゆらゆらしながらバランスをとってるのが実態じゃないかなと。
そして、それが取れてること自体、自分を評価していいことなんです。」
その人、その時なりのバランスのとり方が一番いい。
「調子悪い時は悪いなりに仕事ができてるとか、家事ができているとか、
病気なんだけど何かが出来てるとか。
絶対的で安定したバランス状態ってのはなくて、
その人や、その状況なりのバランスのとり方というのが
その人の個性なんですよね。」
自分なりのバランスを取っている人は、好感が持てる。
「色々な人を観てると、その人なりにバランスをとってる人って
自然だし、無理がないし、
角が立ってないし、
かわいい感じがする。
好感がもてて、いいなあと思うことが良くあります。」
楽器はバランスの賜物。
「楽器はバランスの賜物と言っても過言ではありません。
高い方から低い方まで綺麗に鳴ったり、
どこかの調子が悪いんだけど、どこかで補われていたり。
楽器というのは細かく見ても大きく見てもバランスの賜物なんですね。
おそらく、”綺麗だ”というのも同じようなのだとも思います。
絶妙にバランスをとれてるものを”綺麗だ”と思う。
私たちは、”綺麗”なものを知っています。
つまり、バランスが取れてる状況というのを、
本当は心の奥底では知っているんじゃないかなと。
そんな風に思いますね。」