動物と音楽

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昔、イルカのドクターで有名なジョン・C・リリーさんというアメリカ人と
シンクロの小谷実可子さんを迎えたイルカをテーマにしたNTTのトークショーがありました。
「イルカの気持ちを音にするとどうなるのか?」をテーマにオープニングで立体音響を流そうということで、その音を実際に取りに行きました。

向かったのは、伊豆の淡島。イルカが沢山います。
イルカって可愛い可愛いと言われがちですが、
目はシビアで大人な目をしています。
それでいて、歩いている方向にずっと一緒に泳いでくれる、いい子たちです。

とはいえ、いい音を録ろうと思うと根回しが必要です。
自然の中に入る時はいつもそうなのですが、いきなり入って行ってドンとやるとだめ。
「録らせてもらえますか、宜しくお願いします」と、必ず聞きます。
イルカもそうなんだろうなと思って、イルカが並行して泳いでるときに
「イルカの気持ちをテーマにしているので、その声を録らせてもらいにきた」と伝えました。
すると、桟橋についたあたりでイルカが近づいて来てくれて、ぷかぷかとマイクの手前で浮きながら、長いこと鳴いてくれました。

イルカは、エコロケーションと言われている音波みたいなものを出してコミュニケーションをとっているそうで、口から出るのがその音だそうです。
魚なんかは麻痺させてしまうそうですね。
よく聞く、キャンキャンいってる声は、頭にある呼吸用の穴から鳴る音で
実のところ、声と言って良いかどうかは分からないようです。
他にも、「ぷはー!」って音を出してくれたり、
こちらの気持ちも分かってるぞっていう感じがして、
動物という感じがしなかったことが印象的でした。
固い所が多いですが、ぷにゃぷにゃぷくぷくしているところもあって、
輪みたいなものを飛ばしたりもして、色々と披露してくれました。

そんなことを思い出したきっかけはこの音楽を聴く白イルカ(ベルーガ)の動画。
彼らは本当は色々分かっていて、人のことをしっかり見ていたり、
全てわかった上で反応していたりする。
不思議な体験でした。

浦上咲恵

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Sound Writer / Sound Stylist。井出さんと一緒に仕事をしながら感じる、浴びる程の「ゾクゾク」感を届けたいと思い、日々執筆しています...

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